「獲る漁業」から「育てる漁業」へ。
この町でしかできないことを。
そして心待ちにしてくださる方のために旨いサーモンを。
わたしたちの町、青森県むつ市大畑町は、北海道と青森県に挟まれる津軽海峡に面した港町。
古くからイカ漁が盛んな町です。
1989年(平成元年)当時、大きな不漁に見舞われ、
不安定な「獲る漁業」から「育てる漁業」の道も考えねばならないと
スタートしたのが「大畑さけます養殖漁業研究会」でした。
当時、漁業者7名が集まり稚魚1万4千尾、港内と沖の2つの生け簀でスタート。
すべてが手探りの試行錯誤の状態でも、はじめてサーモンを出荷できました。
順調に行くかと思われた2年目、漁港の防波堤が決壊するほどの荒天にさらされ
港内で養殖していたサーモンが全滅、沖生け簀のサーモンのみの出荷。
それ以降は沖生け簀でのみの養殖となりました。
また2005年(平成17年)も爆弾低気圧の影響で生け簀が大破などの困難が降りかかりました。
その他にも多くの失敗、試行錯誤を重ねてきました。
淡水から海水に馴らすタイミング、大きく育てるための餌の配合や餌やりの頻度、
荒波にも負けない生け簀の改良など。
とはいえ自然環境の中で行っていることなので、すべてが思い通りになるものではありませんでした。
しかし、この津軽海峡の環境こそが最高のサーモンを育てられると信じて進んできました。
当初は市場への出荷をメインに行っていましたが、
その当時はなかなか国産サーモンの価値を分かってもらえず苦労しました。
1993年(平成5年)には加工事業を始め、1996年(平成8年)より市場出荷を止め、直販に切り替えました。
2003年(平成15年)大畑さけます養殖漁業研究会を解散して、北彩漁業生産組合を設立。
それを機に、インターネットでの直販を開始しました。
そして2015年(平成27年)商品開発・加工・販売部門として株式会社 北彩屋を設立して現在に至ります。
北彩漁業組合がサーモンの養殖を、北彩屋では商品の開発、最終製品の加工・発送を専業で行い、グループ内、一貫した体制でみなさんのお手元に届くまで海峡サーモンに携わっています。
軌道に乗るまで、あらゆる面で試行錯誤の連続でしたが、
旬の時期を心待ちにしてくださるリピーターさんや料理人の方々にも出会えたことでここまで続けてこられました。
みなさまの声に耳を傾け、感動していただける商品作りを目標に、
いつまでも安心して美味しく食べていただけるよう努めてまいります。